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スンコロクのコピーについての解説 [スンコロクのコピーについての解説]

皆様、大変お久しぶりでございます。不況の為か、プロバイダのブログの機能の欠陥が未だほとんど改善されず、相も変わらず非常に重かったので、なんとかモナークのようにもうしばらく道中死んだふりを決め込もうと思っていたのですが、いくつか書いておかないといけないと思われるものが溜まってしまいましたので、ちょっと復活致させていただきます。
実は今回もまた大して更新しないで(さぼって)いるうちに、いつの間にか総アクセス数も3万を突破しておりました。ご来訪いただきました皆様、誠に有難うございました。
ですので、何かまたイベントをやらないといけませんが、まだ皆様にお答えしていない事がございますので、そちらの方から先にやっていきたいと思います。

今回は前回の「秘密通信? 5  贋物注意」の記事に関しましての続きの解説を致します。1度では長くなりますので、何回かに分けてざっとですが書いてみたいと思います。
※前回記事 http://kikaokubesi.blog.so-net.ne.jp/2008-09-24 をご参照下さい。

それでは、あちらの記事のコメント欄で述べたコピー資料に関しまして、これから実際に何点か見てまいりましょう。


資料その1 スンコロク(シー・サッチャナーライ陶)の合子のコピー(写し) 幅55ミリ
a.JPG
b.JPG


ご覧のように、なんと本来鉄絵の筈の部分が、青みがかった発色をしています!もし贋物として作ったものであるのなら大変出来の悪い贋物(あの自称白釉緑彩花紋象のように箸にも棒にもかからないもの)だと言えますが、この合子は製作者本人が骨董品として騙そうとする意思が全く無くて作ったものだからであって、必ずしも力量がない為ということではありません。
ですが、こういったものに手を加えて骨董品として騙して売っている、または騙されて転売しているところも多くありますし、買ってしまう人も非常に沢山いるというのも残念ながら事実です。
※あちこち見ていると勘違いして混同している方が意外に多いのでここで改めて記させていただきますが、今回のこれはあくまでも悪意のある贋物ではなくて、コピー(写し)です(もっとも、忠実な再現とは言い難いものではありますが)。これを時代を偽って悪用したりした時に贋物(フェイク)となります。

この発色をさせる釉薬に関しましては私もよくは判らないのですが、以前見たものの中に、関係があるかも知れないと思われるものがございましたので、ご覧下さいませ。
http://www.bangkokshuho.com/archive/2002/oldbkkshuho/1020/articles/sunkoroku/sunkoroku1007.htm
これによると、鉄と呉須を混ぜる場合があるようですし、根本的に焼成方法も違ったりする場合もあるそうで、いろいろなケースがあるようです。何れにしろ描いたものが流れずに安定し易い手法が、忠実な再現をすることよりも優先してなされている場合も多いのだと思います。


尚、今回はすみませんが、「何で鉄絵が青いとおかしいのか」とか、「鉄絵ってどんなの?」とかいうレベルのご質問に関しましては、そこらへんまでは自力解決でお願い致します。ちょっと調べれば解説は沢山見つかることと思います。私が答えないのは、例えばカロン陶をシー・サッチャナーライ産のように書いたり、シー・サッチャナーライ産の青磁をスコータイ産※のもののように書いたりしているところとかにコメントをしに行く気があまりおきないのと同じ理由です。各自で簡単に調べられる事までいちいち対応していると大変手間がかかりますので。個人名をお出しして申し訳ありませんが、例えばdoranekoさんのようなコメント内容だと回答のし甲斐がありますので、大変面倒くさがりやの筆者でも「ああ、、書かなきゃ、、」と思ったりするかもしれないです(笑)。
※この場合は、王都周辺の「スコータイ窯」と言う意です。


ところで、上の「スンコロク物語」のお話からすると、ヤフオクで鑑定書を付けて出品している例の方の、現在出品中の中のコメントとは整合していない点が見られると思いませんか?まあ、今回のは何か悪いことをしているとか、そういった事ではないのですけれど。ああ、、、またいくらか書かないといけないかもしれませんね。

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コメント 4

doraneko

こんばんわ。今年もよろしくお願いします。

売り手と作り手の意図が必ずしも一致してるわけではないんですね。上の作品、ちょっとでも見識のある人間なら「本物ではありえない」と気づくと思います。純粋に、器本来の用途として作られたのでしょうね。フェイクとして作られたという、嫌ったらしい感じがしませんし。

そう思うと、古色をつけてフェイク化する売り手は当然ながら、それを真に受けて買ってしまう方も、ちょっと問題ありかな、と。結局、買い手がいるからフェイクも出てくる。言い方が悪いかもしれませんが、詐欺行為を助長してるように思います。自戒したいところですね。
by doraneko (2009-01-11 04:35) 

ハイム

新年、おめでとうございます。相変わらずのまったりブログで申し訳ございませんが、こちらこそよろしくお願い致します。
今もまた記事の更新が遅れていて申し訳ございません。
(実は、年末・年始にかけて、何件か私的なご質問等があり、内緒コメやメールのやり取りなど水面下での活動が活発に繰り返されている為、余計更新に支障をきたしております。ここのコメント欄も本記事よりもディープな場合も多かったりするのですが、それよりももっとずっとディープな内容だったりするかも知れません。)

本題に戻りますが、このようなコピーから作られた贋物に関しては、全くdoranekoさんの仰る通りだと思います。でも、古色すらつけずにストレートで骨董品として売買されたりしている場合さえ見かけることがあります(涙)。
嫌ったらしい感じがしないのは、欲深さがないからかも知れません。数年前にはなりますが、私の購入価格は40バーツだったと思います(笑)。

尚、doranekoさんも手法はご存知と思いますが、このお品は親切に内部を見るとコピーであることが簡単に見分けがつくようにしるしまであります。次回はそういった事も含めてやっていこうと思っております。


by ハイム (2009-01-12 13:15) 

doraneko

こんばんわ。

欲深い目で見るから、古色すらつけていないコピーを骨董と思い込みもするんでしょうね。ネットオークションで李朝のコピーを骨董と思って買ったことがあります。今思えばお土産品みたいなもの。恥ずかしい限りですが、安さつられてつい・・・。
(今はおかげさまで、だいぶ用心深くなりました^^。)

私的なご質問、ですか。ハイムさんにいろいろ聞きたい人は多いでしょうねー。

今年もまったりとでも更新して頂ければ、ファンとしては嬉しいです。ちんじゅう君にもよろしくお伝え下さい^^
by doraneko (2009-01-13 23:39) 

ハイム

こんばんは、コメント、有難うございます。
基本的な勉強の継続を怠ってしまうと、いろいろな落とし穴がありますので、私自身も気をつけて行きたいと思います。

私のブログが役に立った方が何人かでもおられましたら嬉しい事です。
もう、少し書いたこともあると思いますが、このブログには問題のある商売をしている東南アジアものを扱う骨董商、それもかなり絞られた人物達に対して書いたものも多く含まれております。

東南アジアのアンティークというのはマイナーな分野の為、目にする場所も少なく、限られてもいて、もし手をこまねいていれば、間違った知識・贋物などがさらにはびこる事となり、健全な進展をゆうにあと10年以上は遅らせてしまう事になるでしょう。
このブログには一応こういった事に対しての憂いの意味も込められているのです。

ですが、残念ながらその意図に反して、当ブログや姉妹ブログから得たものを必ずしも良い方向に利用して下さる方ばかりではないようです。例えば、贋物と指摘したものがネットオークションで他の陶片と一緒に陳列されて売りさばかれたりする事なんかもあったりします(涙)。monkonoi氏はそれがどういった意図であったのか、じっと見ていたようで、最終的に各理由から完全なクロと判断した模様です。monkonoi氏がブログの更新をせず逃亡していたのは、そういった類の人物なんかと関わった事を恥じたという事も理由の一つのようです。。

by ハイム (2009-01-15 22:17) 

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